music

09.10.26

Calm、そして出会い

six factoryではこれまでも、その時々でかかわりのあるアーティストたちとイヴェントを行ってきた。
そしてこの10月31日土曜日に、サウンドクリエーターCalmのライヴイヴェントを行うことになった。

DELFONICSのサイトのインフォメーションページにもあるように、僕がCalmと出会ったのはまったくの偶然によるものだ。


「佐藤さん、Calmとかって聴くんですか?」

雑誌「pen」などのメディアで活躍しているライターであり友人でもある小池高弘くんが、僕のデスクの上に無造作に置かれているCDを見つけて言った。
もしこのひと声がなかったら、イヴェントどころか出会うことすらなかったかもしれない。

Calmは彼の奥さん経由の知人だったのだ。
そして気を利かしてすぐに食事の場をセッティングしてくれた。
(ちなみに小池くんは最近では絵も描いていて、11月に絵と文による展覧会が行われる)

突如よび寄せられたふたりの初対面はどこから見てもシャイな感じが漂っていたに違いなく、自分でいうのもなんだけど子供にもどったような、なんだかはずかしい気分だった。

聞きたいことはいろいろあったし、音楽の話に事欠くことはなかったけれど、内容は音楽そのものより、Calmの音響システムや音質への極度なこだわりに傾いていき、これはこれで相当マニアックな話を聞くことができた。

そしてどうやら十数年前に顔を合わせているらしいことも判明した。
当時彼のアルバイト先でもあったレコード屋で、僕はめぼしいレコードを探したり、仕事を終えたあとの気分転換にちょこちょこ立ち寄っていたのだ。

そのレコード屋はずいぶん前になくなってしまったけれど、品揃えの濃さと小さめサイズの店内が肌に心地よく、月に一度ほどのペースで通っていたように思う。

なにしろ急な話で、そのときは彼のことをすぐには思い出せなかったけれど、家に帰ってから突然、確信とともに記憶がよみがえってきた。
「あ、あの時の彼だ!」
たしかにCalmはあの小さなレコード屋のカウンターデスクに座っていたのだ。

彼がデビューして間もないころ、僕はその楽曲を聴いて、一方的ではあるけれどなにか共有できる感覚のようなものがある気がしてならなかった。いつか会って話をしてみたいとも思っていた。
ところがすでに、彼は幾度となく僕の目の前にいたのだ。


かれこれ十数年前、独特の新しさをもって登場したCalm。
まだネットもないころで、そのネーミングもあいまって実体がわかりにくく、当時の僕には正体不明の存在だった。

それでもリリースされるCDやアナログレコードを楽しみに待ち、その音楽を聴いてきた。

そしてこの度このイヴェントに先駆けて、既発のCD「Blue Planet」と「Silver Moon」の2枚を収めたCDを、デルフォニックス定番リネン張りの10インチサイズの見開きジャケットでDELFONICS RECORDSから限定でリリースすることになった。

彼のCDをうちからだすことになるなんて、想像すらしたことがなかった。
ほんとうに世の中、もとをただせば一期一会でできてるなあと、あらためて感じるのだった。


これは僕の勝手な想像も含まれるけど、Calmはジャズやソウル、そしてさまざまなジャンルの音楽を消化し、そしてアウトプットしてきた。決して表面的な取り込みではなく、より深いところでの解釈や消化が行われてきたのだと思う。
そのことが彼の音楽を単にクラブ世代にとどまらない、広い層にうけ入れられる独自のサウンドスケープに押しあげているのだとも思う。

そしてその楽曲は、ときどき僕の音感の琴線のようなところに触れてくるのだ。

Calmとの出会いから始まった、Calm×DELFONICS presents “a factory with a view”。
彼らによるパフォーマンスを、ほんとうに楽しみにしている。

初期のころよく聴いていたCD。たしかアナログでも購入した。

DELFONICS RECORDSからリリースすることになった、アルバム「Blue Planet」と「Silver Moon」収録の2枚組CD。ジャケットは10インチサイズ。右隣はCalm compileによるニューリリース「Cool, Cool Water」。


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